クレーンを使用中、ある一定の場所に来るとスムーズに動かない、あるいは動きがすべて止まってしまう等の症状はございませんでしょうか。
その場合、可能性の一つとして、電源用のトロリーの汚れがあります。
皆様のクレーンの電源はどのような形で集電されているでしょうか。
裸のトロリー線から集電ポールで集電するタイプ(写真1)
絶縁被覆で覆われたトロリーから集電アームで集電するタイプ(写真2)
他にはダクトトロリータイプ(写真3)などがあります。
これらの集電方法の場合、トロリー線の導体部分が錆びていたり、機械油の付着など、汚れにより通電不良の場合が考えられます。
特に注意が必要なのが、工場のレイアウトが変更され、普段あまり使わない位置で新たにクレーンを使用することになった場合です。普段からポールや集電アームが通過していないことで錆びが発生したり、汚れが溜まっていることがあるのです。
その場合、錆びや汚れを、ペーパーやすりやクリーナー(絶縁トロリーやダクトトロリーの場合専用の清掃道具があります。)などで除去し、通電を良くすることでクレーンの動きを改善します。
また、油気が多い、蒸気が多く発生する、粉じんが多い工場環境の場合は、上記の汚れが通電不良の原因となり、クレーンの動きが止まってしまう恐れがありますので、トロリー清掃を定期的に行うことが望ましいです。
トロリーの清掃は、感電や高所作業等の危険な作業です。専門知識のある業者に依頼することを推奨します。