作業日:2017年8月
写真は、三菱ホイスト(微速付)巻上ブレーキ(高速側)の圧力板とブレーキ板です。
巻上ブレーキが解放しないとの事で、巻上ブレーキを分解したところ、写真のように圧力板とブレーキ板が異常摩耗していました。
ブレーキ板(写真1枚目)は、写真右側の新品と比較すると、板に張り付けてあるライニングがすべて摩耗して、段差が無くなっています。(写真3枚目)
圧力板(写真4枚目)は、ブレーキ板のライニングとの接触面に、大きな段差(写真5枚目)ができています。(新品時は平面)
ブレーキ板、圧力板ともに摩耗の限界値を大きく超えた状態でした。
両者が異常摩耗し、ブレーキギャップが大きく広がり、正常なブレーキギャップが出ず、ブレーキコイルに圧力版が吸引しないことで、巻上ブレーキが解放しなかったと思われます。
このタイプのブレーキは、密閉式で分解点検を行わないと、中の状態が確認出来ません。
年次点検等で定期的にブレーキ分解点検を行い、また巻上ブレーキが解放しない、吊荷が大きくすべった等の異常があった時は、必ず分解点検を行って下さい。