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巻上モーターが焼ける

作業日:2017年3月

春なのに気温があまり上がらず、寒い日が続いています。

早く暖かくなって、桜の開花が始まらないかなと待ち遠しく思う、今日この頃です。

 

さて写真は、日立ホイストの巻上モーターです。

前回、当ブログで電磁接触器の接点異常により、モーターが単相運転になった事例をご紹介しましたが、

今回、電磁接触器の接点異常による、単相運転が原因で焼損したモーターを撮影できましたのでご紹介します。

 

モーターの焼損とは、モーター内部(ステーター側)の巻線が、絶縁不良を起こすことです。

三相誘導モーターの場合、単相運転になると、回転磁界が発生せずモーターが回転しません。回転しないと逆起電力が発生せずに過電流となります。

過電流が続きますと、モーターの巻線に多くの電流が流れ、異常発熱します。

巻線に施されたエナメル等の絶縁膜が熱で溶けます。(異臭を放ちます。)

結果、巻線が絶縁不良となり、モーターが回転できなくなる状態をいいます。(発煙や最悪発火の恐れもあります。)

 

写真2枚目(正常品)と写真3枚目(焼損品)を見比べていただくと判るように、正常品(写真2枚目)では、巻線の絶縁膜(琥珀色)がしっかりコーティングされていますが、焼損品では、絶縁膜が黒く焼け焦げています。

 

モーターの焼損となりますと、重いモーターの取り外しや巻線のまき直しなど、時間や労力、修理費用も非常にかかります。

 

単相運転によるモーターの焼損を起こさないために、定期的な電磁接触器の点検は欠かせません。(他にも集電子や電源ケーブル等など確認も必要です。)

また日常点検でモーターの異音や異常発熱、回転不良等の異常を発見した場合は、すぐに専門業者による異常確認、修理を行ってください。