写真は、日立モートルブロックS型のブレーキ部です。
弊社が点検を行っていないお客様から、巻上を押しても巻上チェーンが下がってくるとご連絡をいただき、突発の修理対応に伺いました。
さっそく動作確認したところ、巻上時にすごい異音が発生し、巻上ブレーキの解放音もしない状況でした。
そこで巻上ブレーキを分解点検したところ、ソレノイド部(電磁石)の取り付け部の破損(写真1枚目)、ソレノイドピンの軸受の摩耗(写真2枚目)、ブレーキホイルボス部(モーターの出力軸とブレーキホイルを繋ぐもの)の摩耗(写真3枚目)、相手のブレーキホイルのスプライン部の摩耗(写真4枚目)が見つかりました。
特にブレーキホイルボス部とブレーキホイルのスプライン部の摩耗が激しく、この様な状態ではモーターからの出力軸とブレーキホイルのスプライン部が噛みあわずに空転してしまいます。
その為、今回の不具合の原因は、モーター出力軸がフリーの状態となりブレーキの制動が効かずに、巻上チェーンが自重で下がってくる状態になったことが、不具合の原因だと考察されます。
この今回の事例は、分解点検を行っていれば防げた事例です。特にこのタイプのブレーキは、分解しないと中の状態が把握できませんので、定期的な分解点検をしてください。