クレーン講座第13回は、定期自主検査における月例点検についてご説明いたします。
労働安全衛生法の第四十五条で事業者は定期に自主検査(年次点検、月例点検、日常点検)を行うよう定められています。
月例点検(1月以内ごとに1回定期に行う点検)でも、点検記録をを3年間保管することが義務付けられております。
点検の義務を果たさないと法的に罰せられます。
月例点検では、過巻防止装置などの安全装置、警報装置、ブレーキ及びクラッチの異常の有無、ワイヤーロープ及びつりチェーンの損傷の有無、フック等の吊り具の損傷の有無、配線、集電装置、配電盤、開閉器及びコントローラーの異常の有無の点検が法的に義務付けられております。
事業者様自身による定期自主検査の実施も可能ですが、あまりお勧めはいたしません。
なぜなら、クレーンの設置場所は高所となります。よって大きな危険が伴います。高所からの転落事故は、重大災害につながります。高所作業に必要な足場(はしごや脚立、高所作業車)の手配や、高所用のヘルメットや安全帯といった保護具も必要となります。
また、クレーンの点検補修には、専門的な知識が必要なのは勿論の事、取扱説明書を読むだけではわからない、長年のメンテナンスの業務から学べる経験からくる技術や知識が必要です。
また、不具合発見時の交換部品の手配や、点検記録の作成といった作業も、必要となります。
弊社は事業者に代わり、天井クレーン、ホイストクレーン等の定期自主検査(日常点検を除く)の代行を行っています。
月例点検を実施することの利点として、法的な点検義務を果たすのは勿論、不具合の早期発見によりクレーン故障のリスク軽減や、使用者の安全確保へとつながります。
長い期間点検を実施しない場合、不具合を発見できずに不具合箇所を放置することになります。その結果、他の部品にも悪影響をもたらし、他の部品まで不具合がでるといった悪循環に陥ることが多くなります。
クレーンが使用できなくなってしまう前に不具合対応をすることで、クレーンの稼働率の上昇も期待できます。
毎月、月例点検を継続して、クレーンの状態を観察できますので、クレーンの使用頻度に合わせた部品取替の計画が立てやすくなります。
弊社では、点検結果を、写真のような点検表をとして記録し、継続して管理します。点検表をもとに弊社作業員は継続してクレーンの状態を確認できる体制となっております。
次回からは、年次点検について、触れていきたいと思います。