クレーン講座第16回は、巻上ワイヤーロープの使用限度についてご説明します。
ワイヤーロープの点検ポイントとして、断線、摩耗、キンク、形くずれ、腐食というポイントがあげられます。
本日は、断線についてご説明します。
巻上ワイヤーロープは、ひとより間において素線の数の10%以上が断線しているものは、使用してはいけないと定められております。
一般的なクレーンの巻上ワイヤーロープ6x29(Fi)の場合、13本以上断線していたら、使用限界です。
ただ、弊社といたしましては、点検時に1本でも断線していた場合、早期の取替修理の検討をお勧めしております。
まず、目視できない内部断線が発生している可能性があるからです。内部断線の数と目視できた断線数を足すと使用限界を超えてしまう可能性があるからです。
また、交換用の巻上ワイヤーロープの部品確保の時間と交換作業の予定を立てる必要もあります。使用限界に達した時に、交換部品がなければ、交換作業ができずに使用禁止となり、部品が手に入るまで、クレーンが止まってしまいます。
クレーンの巻上ワイヤーロープ切断による吊荷の落下は、重大災害に直結します。早期の巻上ワイヤー取替によって、安全な作業を確保することができます。