クレーン講座第14回は、年次点検時の巻上ブレーキ分解の重要性について、ご説明します。
今回は、年次点検時に発見した、巻上ブレーキの不具合についての事例を用いてご説明します。
下記の写真一覧は、巻上のスピードを、高速・低速と切替られる機種の高速側の巻上ブレーキとなります。
今回の不具合としては、巻上ブレーキのディスクとライニングとなります。(写真1枚目)
ブレーキライニングは、角が削れてしまうほど、ライニングが摩耗しています。(写真2枚目)
ブレーキディスクは、ピン孔の穴が広がり過ぎてしまい、ディスクが破断しています。
いずれも年次点検時の巻上ブレーキの分解点検で、発見しました。
このブレーキの特徴として、一速型ブレーキでは、ブレーキカバーを外せばブレーキ内部(ライン二ングとディスクを含む)が点検できるのですが、こちらのタイプでは、ブレーキカバーを外すだけでは、ライン二ングとディスクを目視できません。(写真4枚目)
内部が密閉構造となっていますので、細部まで徹底的に分解する必要があり、かなりの時間が必要となります。(写真5枚目)
よって年次点検時に、時間をかけて詳細な部分を分解点検が重要となります。